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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第18章 陰陽師助手記録帳弐




さりげなく距離を詰められたことに
眉を寄せた

「だから君みたいな子に傍にいて
欲しくなるんだ」


(………っ)


すっと腰を抱かれ、鳥肌がたった



(この状況って、そういうことだよね)



『ご冗談を……』

「君にとっても悪い話じゃないと思うけど?
お小遣いならいくらでもあげられるし
忙しい薬師の仕事や危険な陰陽師の助手を
するより、僕に可愛がられた方が
得だと思うな」


ぞわっ



(さ、寒気が……)



今すぐ離れて走って逃げたい
だが、思うように身体が動かない


『離して、ください』



(そんなのセクハラだ
どうしよう大声をだす?)


しかし、身分の高い人にそんな態度をとったら
どうなるのだろうか



(分からないけどただではすまない、よね)



頭の中で葛藤していると
すかさず実光様が話しかけてくる


「君のことが本気で好きになったんだよ
ねえ、癒してほしいんだ」






(癒してほしい………?)




ふと脳裏に閃くものがあり、
はっとして実光様を見上げた






『………あの女性にもそう言ったんですか』


「え?」


『昨日、女性の生霊が私達の前に出ました
それで、あなたの身代わりになった
泰親さんにこう言ったんです』




『【癒してほしいって言ったのに】』



「な……」




動揺と気持ち悪さを含んでいたの
目には冷たく睨む瞳に変わっていた




(確か、あのあやかしも……)




あいつはテキ





(私の考えがあっていたとしたら…)




「ぐ、偶然だよ
よくある表現じゃないか」


『……生霊を飛ばす人は、
その相手を深く恨んでると聞きます』



(この人、私を口説く仕草や言葉は手慣れてた
もし、あの言葉を真に受けた女性が
身を委ねた上で捨てられたとしたら……)



『女性の顔、見たんでしたよね?
本当に見覚えがなかったんですか』


の目が鋭くなると
観念したように実光様が口を割る



「っ………、確かにあれはうちに仕えていた
女中の一人だった
──手を出したのも認めよう」



(やっぱり………)


「だが、そんなことくらいで
祟られてたまるものか!
この僕が女中なんぞを本気で愛すわけが無い
考えたら分かるだろ?」


『は……?』
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