• テキストサイズ

イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第17章 陰陽師助手記録帳壱




【ぐっ………】


少年のような少女のような
子供が勢いよく両方から
引っ張ったように障子が開け放たれ──


(わっ!)


女性の身体は外へと
投げ飛ばされてしまった


『い、今の子は?』

「式神ちゃんに頼んでみた
普通の人には見えにくいけど
気のいい子だよ
──やっぱりさんには見えるか…」


(しまった……!)


「まあ今はとりあえずいいや
何となく察しはついてる。」

『え?』

「俺は、御所の武士の皆さんみたいに
人間を相手に戦う訳じゃないけど
霊体やあやかし相手だったら
それなりに強いから
頼ってね」


『っ』


少しだけ、いやかなり
泰親さんが頼りになる男性に思えた












泰親さんによって強制的に
吹き飛ばされた生霊を追い、
外に出ると──



(いた……)



【ぐ、が……どうして……
あの人、は憎い…………くやし、い】


(何か言って……)




暗い路地の地面で女性は
もがきていた



(泰親さんの術がよく効いてるみたいだけど)




「ごめんねえ
もう動いていいよ」



【あの人を癒さなきゃ。
癒してあげるの、
あたしが癒して、癒して癒して
癒して癒して癒して癒して癒して癒して…】



虚ろな目の女性が壊れたように
同じことを言い続けながら
地面からぎこちなく身体を起こす


【癒してほしいって言ったのに……!!!】



(っ………)



ごう、と空気が歪み女性の髪が巻あがった
瞬きする間に凄まじい速さで
こちらへと襲いかかってくる


「情熱的だなあ」


泰親さんがそう言い、ひっそりと笑い
二つの人形を宙に放り投げた




/ 320ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp