第16章 京
『うーん
見事に迷子だな私』
華やかな京都の街並みと反し
の心は沈んでいた
(頑張ろうって矢先にこれだよ…)
泰親さんが部下の人に呼ばれてしまい
「ごめんね、少しだけ待ってて」
と言われ、大人しくじっと
待ってたはいいものの
人混みに流されてしまったのだ
(なんか3日後にお祭りがあるって
泰親さんが言ってたし)
この人混みの中
合流でいるのだろうか
(そもそも元いた場所わからなくなったし)
八方塞がりでどうしようかと
悩んでいると
「なぁ、ねーちゃん」
「暇なら俺らと遊ばねえか?」
「わ、可愛いー!」
(げ。)
変な3人組に絡まれてしまった
(どうしよう)
逃げるほうがいいだろうが
3人もまけるだろうか
(それに元の場所からもっと
遠ざかってしまうかも)
そうなってくると
いよいよ合流出来なくなる
頭を悩ませていると
ぐいっと引っ張られる
『!!』
「迷子なんだろー?
俺らが京案内してやるよ」
「お礼は言わなくてもわかるよな?」
『──待ち合わせしてる人がいるので
大丈夫です!
ご心配ありがとうございました!』