第2章 お見合い
外に出ても
見合いと男は一方的に話すだけで
私は上の空だった
(あの人結局誰だったんだろう)
妙に触れられた手の感触が
残っていて
不思議な感覚になる
(それにあの人見えてたあやかしが)
ちらりと見合い相手を見る
(この人もきっと私を気味悪がるに
違いない)
「……ですよね!」
『えっ』
(やばい何にも聞いてなかった)
「こうしてみるとお似合いですよね!
僕達!」
(待て待て待て!)
『そうでしょうか?』
「ええ!次はいつ会いましょうか?
結婚式はいつ頃がいいですか?」
(次会うのは100年後くらいでいい!
ていうか何勝手に結婚することに
なってんの!?)
「さん…」
顔を近づけられたその時