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檸檬香る、その恋に【鬼滅の刃 / 短編集】

第26章 おそろいの絆創膏〈煉獄杏寿郎〉




「見た見た?!今日から出勤の小児科医のドクター!超絶かっこいいんですけどっ!!」
「ね!!さっき廊下にいて挨拶したけど、めちゃくちゃ笑顔でさ〜〜!結婚してるのかな!?」
「うわ〜〜超気になる〜〜〜っ!!」


朝から外来の小児科ブースがいつもに増して賑やかだ。

かれんはそれを横目でみつつ、今日の外来医師に依頼する書類を外来窓口に持ってきたところだった。


 …そういえば、今日からだっけ
 新しい小児科のドクターが来るのって…


先週の事務内の申し送りノートに、新任の小児科医師が着任すると記載があったのをかれんは思い出すも、その名前が出てこない。

そんなにイケメンなのかと、かれんはちらりと小児科ブースに目を向けるも、まだ診察室には来ていないらしい。


するとその時。


「おはよう!すまないが、小児科の診察室の場所を教えてもらいたい!」

「!?」


あまりにも大きな声に、かれんはびくりと肩を揺らした。
くるりとかれんは後ろに振り返ると、そこには白衣を身につけた特徴的な眉をもつ明るい髪色の男性が和やかに立っていた。

「お、おはようございます!小児科の診察室はこの右奥になります…!」

「うむ!承知した!ありがとう!」

そう言うと男性は、颯爽とかれんを横切る。


 そうだ、名前…っ!


かれんはすかさず、その男性の胸元に下がったネームプレートを見た。


 …“小児科医 煉獄杏寿郎”…先生…

 そうだ!煉獄先生だ…!


その男性医師、杏寿郎が小児科ブースに到着するや否や、その場にいた看護師達からは黄色い声が飛び交う。確かに見た目もイケメンで、あんなに溌剌とした元気のいい医師なら、職員からも患者からも人気になるに違いない。

かれんはそう思いながら、書類を各ブースにいる看護師に渡し外来を後にした。

・・・

かれんの事務の仕事は大まかに、午前中は総合窓口での外来患者の対応、午後は書類整理や予約制の診察の受付だ。時折、人手が不足しているときは、外来ブースで患者の対応や呼び出しも行う。

また今日の午後は小児科でのワクチン接種もあり、当番制でかれんが外来での受付を担当することになっていた。

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