第24章 恋摘む苺〈煉獄杏寿郎〉
「そうか!かれんは苺が好きなのか!」
付き合い始めて間もない恋人である檜原かれんと杏寿郎は、お気に入りのカフェでデートをしていた。
「うん!フルーツの中では、苺が一番好きかな…!杏寿郎くんは何が好き?」
「うむ!俺は…さつまいもだな!」
「え〜?!それってお野菜だよ!杏寿郎くん!」
楽しそうに笑うかれんが愛おしくて堪らない。
杏寿郎もつられて笑顔になった。
「では、次のデートは苺狩りに行こう!」
「えっ?!ほんと!?嬉しい!!」
子供のように瞳をきらきらさせ無邪気な笑顔をみせるかれん。
ああ、本当に苺が好きなのだな…!
まだ交際を始めて間もないため、お互いのことをまだ詳しく知っているわけでなかった。少しずつかれんのことを知っていけるのが、杏寿郎は嬉しかった。
「ねぇ杏寿郎くん、見て見て!ここの苺狩り、7種類もの苺を食べ比べできるみたい!あと、こっちの農家さんだと…、」
かれんは早速スマホで、苺狩りのサイトを検索していた。
杏寿郎も一緒にかれんのスマホを覗き込んだ。
「すごいな!今の苺はこんなにも種類があるのか!一度に沢山の苺を食べられるのは魅力的だな…!」
「ね!すごいよね!…ここの農家さんなら、車で近いかな??」
「…成程、ここなら車で1時間もかからないだろう!かれんが良ければ、この苺狩りにしようか!」
「ほんと?じゃあここにしちゃおうかな…!私、予約しておくね!」
「ありがとう!当日の運転は俺に任せてくれ!」
「わーい!ありがとう!杏寿郎くんのドライブと苺狩りかあ…!すっごい最高なデートだね!今から楽しみ!」
「ああ!俺も楽しみだ!」
テーブルの上のカフェラテからふわりと湯気がのぼる。
嬉しそうににっこり笑うかれんを、杏寿郎は本当に好きだと思った。
そしてかれんも、いつも自分の喜ぶことを最優先に考えてくれる杏寿郎の心遣いに、甘酸っぱい気持ちに浸るのだった。