第16章 積もるのは、恋〈煉獄杏寿郎〉
「かれんを絶対に、幸せにすると誓う」
杏寿郎からの揺るぎない緋色の瞳が、かれんを見つめた。
「杏寿郎くん、本当に…ありがとう。私も杏寿郎くんのこと、絶対に幸せにする…!こんな私ですが、これからも宜しくお願いします!」
「ああ、俺の方こそ、宜しく頼む。…これからも、ずっと俺の傍にいてくれ。かれん」
愛する人と結ばれる以上の幸福が、他にあるのだろうか。
二人は頬を染めて、その歓びを噛み締めた。
「すまない、すっかり冷えてしまったな…。どこかで暖まろう」
「あ、そうだ!近くにね、さつまいもと林檎のタルトが人気のケーキ屋さんがあるの!行ってみない?」
「それはいいな!是非行こう!」
粉雪がそっと舞う中で、二人は愛を誓い合った。
世界に一つとして同じ宝石がないように、二人だけの想いが、これから先も紡がれていくのだ。
雪の日の、やさしい愛の物語。
おしまい 𓂃◌𓈒𓐍