第11章 ●捕まえる●
恋の禁欲が始まってすぐ、七海から呼び出された。
「五条さん。恋の事はどうお考えですか?」
「悪い、七海。全部俺が悪いんだ。俺、恋の事が好きだ。」
「わかりました。恋とは別れました。彼女の事、頼みます。」
「わかった。本当に悪かった。」
その後、恋の所へ行った。
「七海から別れたって聞いた。大丈夫?」
「もう大丈夫。思いっきり泣いたから。」
そう言って笑顔になる恋。
慰めてやろうと思ってたのに、拍子抜けした。
それから半年、時間がある時はいつでも恋のもとへ通った。
時々、硝子を連れて行った。
恋と2人っきりになると襲いそうだから。
やっと、半年たった。
もう、我慢はできない。
「ジャーン!」
ピンクの薔薇の花束を恋に渡した。
「あ、ありがと。嬉しい。こんな大きな花束もらったの初めて。」
少し照れた様子がたまらない。
「お礼ちょうだい。」
もう我慢できない。
「お礼って?何?」
不思議そうな恋。
「チューして。」
そう言って俺は椅子に座り、顔を突き出した。
「わかった。」
恋が俺の唇に自分の唇を重ねた。
「捕まえた。」
俺の腕の中にいる小さな女。
俺の大好きな女。
もう離さない。
告白した。
恋は俺に見つめられるとドキドキして息が止まりそうだったと言った。
可愛すぎだろ。
思わずキツく抱きしめた。
舌入れてキスしたら恋が震えているのがわかった。
どうしたの?って聞いたら久しぶり過ぎて緊張してるだって。
俺もだよ。