第40章 縋る
「ホワイトデーが台無しになった事はどうでもいいの。そんな事より、歌姫ちゃんの方が先に真希&真依の事を知ってた事は許せない。」
「ごめん。」
「どう落とし前つけるつもりなの?」
朝になって急にブチ切れる恋ちゃん。
落とし前って……
「キスマークつけて許してくれたんじゃなかったの?」
「あれは眠かったから……てゆうかそんなもんで許されると本気で思ってんの?」
「怖いよ恋ちゃん。」
「何してもらおっかなぁ。」
ニヤニヤし始める恋ちゃん。
「何でも言ってごらん。」
お前の為なら何だってするさ。
「じゃあ、パンダを高専に入学させて。」
「何で僕なの?学長に言えばいいじゃん。」
「学長には頼みにくいんだって。ダメなの?」
「それがお前の望み?」
「そうだよ。パンダは私の癒しなんだもん。」
「わかった。何とか上と掛け合ってみるよ。」
「ありがと、悟。」
「わーい!ありがとな、悟!」
どこからともなくパンダが現れた。
「良かったね、パンダ!」
「うん。恋のおかげだよ。ありがとう。」
僕の目の前でハグする二人。
「おい、僕の前でいちゃつくな。」
「ケチ。」
パンダから離れ、ポケットからスマホを取り出し僕に背を向けて歩き出す恋。
すると僕のスマホが鳴った。
見ると恋からのメッセージ。
ありがと悟。
今夜はサービスしてあげる♡
やっぱ最高だな、僕の女は。
本当はこのまま恋に縋って生きていきたいけど、そうもいかないんだよね。
そろそろアイツが出てきそうだから。
また何かされないように気をつけておかないと。