第40章 縋る
「あけましておめでとう、悟。」
「あけましておめでとう。今年初めてのキスしようか。」
顎を持ち、僕の方を向かせる。
そしてゆっくりとキス。
「初詣行こうか?」
「うん。」
「お着物着せてあげるからね。」
「ありがと、悟。」
僕も和服を着て手を繋いで初詣。
「わたあめ食べたい。」
「買ってくるからここに座ってて。」
「はーい!」
恋をベンチに座らせ、わたあめを買いに行く。
「あ、あのっ、すみません。写真撮ってもいいですか?」
買ってから戻ろうとした時声をかけられた。
若い女の子二人組。
恥ずかしそうに僕を見てる。
「僕の写真?」
「はい!」
「すごくカッコいいので写真撮らせてください!」
ああ、今日は和服だからかな。
僕、目立つんだよね。
「いいよ。」
2人の女の子と写真を撮ってあげた。
「じゃあね、バイバイ。」
「「おにーさん、ありがとう!」」
女の子たちと別れて恋の元へ急ぐ。
「恋ちゃん怒ってないかなあ……あれ?」
恋の両脇に男達が座ってる。
2人とも恋の方を向き、何やら話しかけている。
「ありゃぁ、僕の恋が。」
わざと裏にまわってゆっくりと近づく。
「お姉さん、和服超似合ってるね。可愛いよ。」
「ありがと。」
「えっ?声も可愛いじゃん。」
「お姉さん、僕たちと遊びに行こうよ。」
「ダメ。」
「ダメ、だって可愛い。」
「何でダメなの?」
「わたあめ食べたいの。」
「僕たちが食べさせてあげようか?」
さて、そろそろ白馬の騎士の登場かな。
「恋ちゃん、わたあめだよ。」
背後から近づき後ろから顔の前にわたあめを差し出した。