第38章 ●縛る●
僕と別れて七海と付き合って、七海にフラれたら今度は僕と別れる必要がなかったって知らされて。
ようやく僕の元へ戻ったと思ったら今度は傑に拐われて脅されて、無理矢理されて。
「そうだよな……自分の身内に七海に傑に……ひどい目に遭わされて、可哀想に。」
頭を撫でてやる。
「建人は……悪くない。それと1人忘れてる。」
僕を睨む恋。
「何?もしかして僕の事?」
「うん。ある意味一番ひどい。」
「そんなぁ!」
「私、悟の事好きなの。」
体を起こし、濡れた瞳で僕を見る。
「何だか照れるよ。僕も恋が世界で1番好きだよ。」
「でも悟は私以外に2番も3番もいるんだよね。一体何番までいるの?」
可愛い瞳から涙が溢れる。
泣いてる顔も可愛いと思っちゃう。
不謹慎だけど。
「泣かないで、可愛い恋。」
思いっきり抱きしめた。
「今は恋だけだよ。恋じゃないと勃たないもん。」
「もし、今度やったら二度と誰ともエッチ出来ない体にしてやる。」
「わかったから。絶対しないから。恋もダメだよ。」
「何がダメなの?」
「七海のところに行かないで。」
「行かないよ。」
「七海だけじゃないよ。絶対に他の男のとこには行くなよ……っていうか行かせないようにするから。」
「どうするの?」
不思議そうに首を傾げる恋。く
「こうするの!」
恋の両手首を後ろ手に僕の目隠しで縛り上げた。
「ちょっとヤダ!何するの!?」
「恋は僕だけの物だから。もうどこにも行かせないよ。」
「悟のいじわるぅ。」
「うわぁ、その顔そそる。ますますいじめたくなっちゃうじゃん。」