第37章 ●委ねる●
悟が私を見つけてくれた。
高専に戻って硝子の治療が終わてから猪野と日下部、それに建人が様子を見に来てくれた。
「建人……ごめん。」
建人の顔を見た途端に涙が溢れた。
「いいんです。謝るのは私の方ですから。」
すごく複雑な気持ち。
夏油が動かなければ悟とよりを戻す事はなかったし、私と建人が別れる事もなかった。
運命のイタズラ?
それにしてはイタズラの域を超えてる気がする。
「恋ちゃん!ごめんね。」
猪野も私と一緒に泣いてる。
「謝らないで猪野。強くなれ。」
喝を入れてやった。
「はい!」
「恋、飴食うか?」
「うん、ちょうだい。」
「ほらよ。」
日下部に飴をもらった。
流石に今日はセクハラしなかった。
その後、悟にめちゃくちゃにしてってお願いした。
肌に残る夏油の感触を消し去りたかったから。
昔、夏油に襲われたあの時より強くなった。
私は壊れてなんかない。
ただ、感触を消したかっただけ。
また上書きしてもらった。
大好きな悟に。
冷たい体が熱を帯び、乾いた心が潤ってゆく。
悟に愛され私は更なる高みへと昇る。
ソファでまどろむ2人。
「ねえ、あれ着てよ。」
小声でねだられる。
あれ以来、コスプレにどハマりした悟くん。
私の部屋にまで持ち込んでる。
「あれを?今から?」
「うん。恋なら絶対似合うはず。」
「着るところは見ないで。」
「うんっ!」
クローゼットの中からコスプレグッズが入ってる箱を出す。
蓋を開けると1番上には白いカチューシャがあった。
そして、その下には白と黒のレース&フリフリのセクシーな下着。
それから白のフリフリエプロン。
胸元が大きく開いた黒のフリフリワンピース。