第33章 ●観念する●
「うぅ、あ、たまが……痛い。」
目が覚めると酷い頭痛がした。
「え?」
寝返りを打とうとするも、自分の体ががっちりホールドされてて動けない事に気づく。
胸の下に巻きつく他人の腕。
妙に白い腕。
長い指。
悟?
よくよく見ると自分が裸であることに気づく。
う、そ………
これって………
やっぱりそういうことだよね………
昨夜の事を必死に思い出す。
悟と食事して、散歩して、悟の家でケーキ食べて………ワイン飲んだ。
そうだ、悟が変な事言い出して……下着!
紐パン渡されて………
その後どうしたのか全く思い出せない。
ワインをがぶ飲みした覚えはある。
悟の腕をそっと外し、布団の中の自分の体を確認する。
全裸の自分に泣きたくなった。
私、何やってるんだろう。
絶対ダメだと思ってたのに。
また流された。
お酒飲むんじゃなかった。
あー、私のバカバカバカバカ!
そういえば今何時だろ?
ゆっくりベッドから降り、自分の服を探す。
だけど、ブラジャーしかない。
リビングへ行くと、ソファの上にワンピースがあった。
ブラジャーを着けてワンピースを着た。
スマホを出そうとバッグを漁ると下着が出てきた。
何でこんなとこに入れたんだろ?
とりあえず穿いてからスマホを見るとまだ朝の4時だった。
一瞬、このまま帰ろうかと思ったけどやめた。
勝手知ったる悟の家。
キッチンへ行きコーヒーを入れた。
その場で立ったまま飲んでると後ろから優しく抱きしめられた。
「おはよ。」
優しい声。
頭にキスしてくれた。
「おは……よう。」
「昨夜は可愛かったよ。」
耳元で囁かれる。
「私、何か変な事言ってた?」
「覚えてないの?」
「ケーキ食べてワイン飲んで紐パン渡されたとこまでしか覚えてない。」
「うわぁ、なんかショック。あんなに愛し合ったのにぃ。」
体に回されてた腕が離れた。
「あ、愛し合った!?」