第25章 苛まれる
謝罪に言い訳に七海への怒りに。
だけど、恋からの返信はない。
今ごろ七海に抱かれているのかと思うとたまらなくなり外へ出た。
伊地知を呼び出す。
「お前、恋にバラしたな。」
「す、すみません。」
「まあいいよ。今から車出せる?てか、出して?」
「は、はい。喜んで。」
車に乗り、七海が住んでるマンションへ行くように伝えた。
「着きました。」
「ここで待ってて。」
車から降り、辺りを見渡した。
そして、向かいのビルの屋上に上がり、七海の部屋を見る。
カーテンが閉められているから中の様子はわからなかった。
しばらくぼーっと見ていると、灯が消えた。
電気けしてからヤルのかな?
僕、何やってんだろ。
車に戻り、マミちゃんの店へ行った。
「悟くん、いらっしゃぁい!」
すでに酔っているのに、そこでもまた浴びるように飲んだ。
気づけばいつものホテル。
隣には艶かしい身体。
肌に触れただけで昂り、貪る。
無我夢中で目の前の女を抱いた。
「恋、恋ちゃん。」
「ごめんね。」
「恋ちゃん、行かないで。」
夢の中でも恋を求めた。
「さとるくぅん、起きて。悟くんってばぁ。」
「ん?……ああ……頭いてぇ。」
次に気づいた時にはひどい頭痛がしていた。
「大丈夫?」
僕を心配するその声を恋だと思った。
「大丈夫だよ。」
手を握り、笑顔を向ける。
あれっ………
恋………じゃない。
「良かったぁ、悟くんうなされてたからしんぱいしちゃったぁ。」
「マ、ミちゃん?」
慌てて握った手を離し、起き上がる。
「もしかして悟くん、昨夜の事覚えてないのぉ?」
胸元が大きく開いた服を着たマミちゃんが、胸を寄せて言った。
「えっ?昨夜の事?」
「うん。悟くん、お店に来た時からもう酔ってて。それなのにめちゃくちゃ飲んだんだよ。」
「あー、頭痛い……」
「恋ちゃんって誰?」
「……え?何で知ってるの?」