第24章 ●獲る●
「ハァッ、ハァ。」
腹式呼吸をしてる恋。
お腹が膨らんだり凹んだりしている。
名残惜しい体を離して後始末をし、再び恋の元へと戻った。
余韻に浸る彼女を胸に抱き寄せ、私も息を整える。
ついに、抱いてしまった。
この人はまだ、五条さんの恋人なのに。
昔、自分がされた事をしてしまった。
しかし、背徳感はない。
純粋にこの人が好きなだけ。
いつも影から見守った。
泣いていたら慰めてあげた。
いつでも彼女に寄り添えるよう、備えていた。
ただ、ひたすらに愛し続けてきた。
体制を横向きに変え、まどろむ彼女を見る。
髪を撫でて、額にキスを贈る。
そしたら、にっこり笑ってくれた。
「好きだ。」
独り言のように呟いた。
もう、夢の中のようだ。