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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第23章 陰る


「五条さんです。」

スマホを見た建人が言った。

私は悟の電話を着信拒否しているから建人にかけてきたんだろう。



「私は……話したくない。」


「わかりました。私が話します。」


「はい、七海です………五条さん………はい、ここにいますけど………本人が嫌だと言ってます………泣いています………以前、私が言ったこと覚えていますか?今度泣かせたら奪うと………とりあえず今夜はウチに泊めます、では。」


電話を切る建人。


今度泣かせたら奪う?


そんな事言ってたなんて知らなかった。


「建人………」

「ずいぶん焦っているようでした、五条さん。」



建人は私の背中に手を回し、肩を引き寄せた。


彼の肩にもたれかかる。


あったかくて、安心できた。



ゆっくりと目を閉じる。


涙はじきに止まった。


そしてあろう事か、そのまま眠ってしまった。


昨夜はカードの事が気にかかり、よくねむれていなかったから。


どのくらいそうしていたかはわからない。


目を開けると、建人の顔が真上にあった。


「け、んと?」

名前を呼ぶと、顔を真っ赤にする建人。


そこでやっと気づいた。

私は仰向けに寝ている。


建人の膝枕で寝てるんだ。


「ごめん、建人、重かったよね。」

慌てて起きあがろうとするも、建人に止められた。

 
「大丈夫です。眠ってて下さい。もう少し、こうしていたい。」

自分で言ったくせに顔を赤らめる。


もう、可愛いんだから。


目を閉じると、大きな手で頭を撫でられる。


優しい手。


心地良い。


そして次は指の腹で額、まぶたとなぞられる。

鼻筋、頬、そして唇に指が触れた。

舌を出し、建人の指を舐めた。


一瞬、彼の体が体がビクッとした。


可愛いな。


すると今度は額にキスされる。


目を閉じているせいか敏感になってるな、私。



今はただ、この温もりに身を置いていたい。



今はただ、全てを忘れてしまいたい。
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