第22章 苦悩する
俺の名前は伏黒恵。
恵という名はろくでもない父親がつけたらしい。
小1の頃、父親と再婚相手がそれぞれ蒸発した。
家には俺と再婚相手の娘の津美紀が残された。
俺と津美紀は、五条先生と恋によって助けられた。
この五条先生という人は、呪術高専の教師なのにわがままで、礼儀知らずで、自己中で、大人としては全く尊敬できない。
だけど術師としてはとても優秀で最強と呼ばれている。
俺はこの人みたいな術師になりたいと密かに思っている。
そしてその五条悟の恋人であり、高専の先生でもある恋が親身になって世話をしてくれた。
恋は俺の初恋の人でもある。
優しくてちょっと天然で料理が上手くて術師としてもとても強い女性。
この人を想い、妄想を膨らませる夜もある。
この人は時々、五条先生に泣かされている。
俺がもっと強ければ守ってやれるのに。
俺は現在中学2年。
ガキの頃恋ちゃんって呼んでいたけど最近では呼び捨てにするようになった。
中学には当たり前だが非術師しかいなく、みんな弱い。
不良だって格好つけてるだけで全然強くない。
いつしか俺は学内最強になっていた。
「恵、謝ったの?」
「恵、悪くないんなら謝らなくていいんだよ。」
「ちょっと悟!友達殴ったんだから謝らなきゃいけないでしょ?」
「理由によるな。」
「理由はどうであれ手出しした方が負けでしょ!」
今日もまた弱い者いじめをいているヤツをぶん殴ってやった。
すると、そいつが騒ぎだし担任に泣きを入れた。
そのせいで俺の保護者の五条先生と恋が学校に呼び出された。
3人で会議室に向かっていると五条先生と恋が揉め始めた。
ただでさえ目立つ五条先生がいるんだ。
一体この3人はどういう関係かとみんながじろじろ見てる。
「2人ともこんなとこで揉めんなよ。」
「お前のせいで僕たちはデート切り上げさせられたんだよ?」
五条先生が怒る。