第2章 ●忘れる●
「あぁ、これは…とてもキツい。」
「アァンッ、気持ちイイ。」
「ここ、ですか?あなたのイイところは。」
「ウンッ!そこぉイイ、アァ、らめぇ、けんとぉ。」
あまりに気持ちよくて私はすぐにイッてしまった。
「ううっ、私ももう限界です。」
建人もその後すぐにイッちゃったみたいだった。
「本当に良いんですか?付き合うって事。」
情事の後、着替えをしていると建人が真剣な表情で聞いてきた。
私は思いっきり背伸びをして建人にキスをした。
「これが答え。」
私が笑顔で言うと、彼はまた耳を赤く染めた。
「ありがとう恋。」
恥ずかしそうに言った彼にときめいた。
その日の夜、高専から電話があった。
教師が生徒の保護者と駆け落ちなど前代未聞の事態だと言われた。
そして、その教師の夫もまた高専の教師だということもまた波紋を呼んだ。
私はしばらく休学していろと言われた。
結局、高専京都校には戻って来ない方が良いという判断がくだされ、私は東京校へ転入する事になったのだ。
建人と同じ学校だからむしろ私的には良かったのだけど。
和くんとの事をなかった事には出来ない。
けれど、彼への想いは忘れる事にした。
………現在
「建人、もう帰っちゃうの?」
私のベッドでひとしきり愛し合った後、服を着はじめた建人の背中を寂しく思いながら見つめた。
「いえ、荷解きまだでしょう?手伝いますよ。」
そう言いながら部屋の角に置いてある段ボールを指さした。
「あっ、うん。ありがと。今日はいきなり任務で時間なくって。」
「夕食は宅配ピザでいいですか?」
「う、うん。お任せします。」
全く、これではどっちが年上かわからない。
建人とはいつもこんな調子だ。
3時間後、片付けと食事が終わり建人が帰って行った。
夜、眠りにつこうとしたがなかなか眠れなかった。
おそらく今日色々あったからだろう。
転校初日にいきなり任務。
新しい友達にあの五条というクラスメート。
何で五条の事なんか考えているんだろ?
頭を左右に振って目を閉じた。