第10章 護衛
しばらく、3人で飲んでいると、白雪がモゾモゾと寝返りを打つ気配がした。
「さて、ここはわたしが見てるから、ゼンもオビも休んできていいよ?」
気づけばすでに日付を超えており、あかねが2人にそう言うと、ゼンとオビは2人で顔を合わせた。
「いや・・・1人で寝かせていても、もう大丈夫だろう。
部屋に戻ろうか」
ゼンはそう言うと、すっと立ち上がった。
「じゃあ、わたしは片付けてから帰るよ。
白雪の顔を見ていけば?」
「うっ・・・まぁ、そうするか
じゃあ、また明日な」
ゼンは少し顔を赤くして、部屋を後にした。
「オビも」
「?なんですかい?あかね嬢」
あかねはグラスのお酒を飲んでいたオビに声をかけた。
「先に部屋に戻っていいよ?」
あかねがそう言うと、オビは
「あれ、今日部屋に行くって言いませんでした?」
真剣な顔をしてあかねに言うと、あかねは少し考えたあと、かぁっと顔を赤くした。
「あ、あれ・・・本気だったの?」
「俺の言葉を冗談だと思ってたんだ・・・へぇー」
オビはじーっとあかねを見つめると、あかねは気まずくなり、目線を逸らした。
「わ、わかったから・・・
とりあえず、部屋で飲み直そう?」
「そうですね」
よっと言いながら、オビは残ったお酒を一気に飲んで立ち上がり、あかねもグラスを持ちながら、部屋に戻ることにした。