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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第9章 ラジ王子の訪城





オビはあかねの腕をぐいっと引き、起き上がらせた。

再びベッドの端に腰掛けたオビ。


「俺、ちょっと出掛けてきますね」


「は?」


急な話に、あかねはオビの顔を見て、言葉を待った。


「いや、主からのおつかいでね」


「ゼンの?」


「そう。ラクスドまで」


「あぁ・・・経過観察ってところ?」


納得したあかね。
回復した兵士たちがどうしているか、気になるのだろう。


(イザナ様から、管轄外されたし・・・
心配だよね・・・)




スっ・・・


「!?な、なによ・・・」


下を向き考えているあかねの頬に、再び手を添えるオビ。


「そんな顔しないでよ、あかね嬢」


「そんな顔って・・・」


「主と同じ顔。」


「ゼン・・・元気ない?」


「ラクスドがある方向を見ていることは多いよ
それで、見てきましょうか、って聞いたら
行ってこいってさ」


オビはそのままあかねの髪を撫でた。


「うん・・・オビなら安心。
よろしくね」


あかねは笑顔でオビに言った。


「お任せください、あかね嬢

帰ってきたら、さっきの続きしましょうね?」


「・・・うん」


耳まで赤くして下を向くあかね。
その姿を見てニッと笑うオビへ、あかねは軽くお腹にパンチした。


「いてて・・・
まぁ、早く帰れるようにしますよ

いってくるね」


オビはお腹を撫でながらあかねに言うと、そのままベランダから出ていった。


「・・・いってらっしゃい」


あかねはオビを見送ると、身なりを整え、イザナの執務室へ向かった。

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