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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第9章 ラジ王子の訪城




人気のないところまでラジを引っ張ったゼンは、そのまま壁においつめた。



「何を言い出すんだおまえ」


「ま、待て!

今のは流れ的に
仕方ないではないか!」


「どこがだ!?」


「た、多少話を大きくしすぎた
かもしれないが・・・

どのみち同じ話ではないか

貴殿と白雪どのは
恋仲なのだろう?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


慌てて言うラジの言葉に、ゼンは言葉を詰まらせた。



「・・・・・・?

まさか
そういう訳ではないのか?」


ラジがゼンに聞くと


「やかましい」


「それは困る!!

そんな事では
白雪どのが貴殿から去らぬ保障が
ないではないか!」


ラジは、ゼンをまっすぐ見て言う。



「白雪どのは
あの毒林檎の件を知っているのだぞ
目の届く場所にいてもらわねば」


「・・・」


「万が一
公にでもなってしまえば・・・

私は・・・

私は滅びる!」


「見事な自爆だろうが・・・」


絶望の表情になるラジへ冷静に返すゼン。
そんな様子を見出しにラジは


「・・・・・・

ゼンどのにその気がないのならば
私が白雪どのを迎えても良いが」


と言った。



「何?」


「よくはわからんが
イザナどのもその方が
都合が良いのではないか?」


「・・・・・・」


「無論、
貴殿への誓いを忘れてはいないが
その代わり
白雪どのは私の城でも丁重に・・・」


「却下」


ゼンはふいっとラジから顔を背け、即答する。


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