第4章 *midnightバンパイア(セト)
『……あった』
ここだ。何度も夢でみたから間違いない。
何もかもが夢と同じ。古ぼけてるけど威厳のある洋館。
ぽつんと聳え立つ建物はまるであの夢に出てくる少女の気持ちを表してるようだ。
……?今、音がしたような。
『だ、誰かいるんすか?』
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日が昇った。朝が来たのだ。
早く家に帰らなきゃな。朝は人間達が活動する時間。
人間とは違い夜行性な訳で朝はとにかく眠くて食欲もわかない。こんな状態で万が一人間に見つかってはやばい。
アイツ等は何してくるかわからないから。最近は何もしてこないけどまたいつかは……機会を伺ってるのだろう
化け物が、弱る時を。
「クンクン……人間!?……まさかっ……」
間違えることはない。何度も嗅ぎなれたニオイだから。しかも、この方向は自分の家。
……もし、襲われるなら返り討ちにすればいいだけ。
そう思い私はそのまま家を目指して歩いた。
草をかき分け家についた
そこにいたのは緑色のつなぎをきた高身長の男が一人。
こちらに背を向けて立っている。
『だ、誰かいるんすか?』
相手も私に気づいたようで振り向く。
その顔は怯えたような表情をしていたが、私を見るや否やものすごいスピードで近寄ってきた。
次に来るであろう痛みに咄嗟に目を瞑ったが
『やっと……逢えた……』
その言葉と同時に温かい温度が私を包む。
瞑っていた目を薄く開くと抱擁されてる自分がいる
「な、なにするんだ!離せ人間!!」
身動ぎ抵抗するが、離すどころかさらに腰に回してる腕をぎゅっときつくされる。