第2章 infinite loop
∞狂い始めた1日
あれから数時間が経ち、今ではモコモコ……もといマリーも加わり談笑する俺達。
「まさか…あのコミュ障で引き籠もりのマリーが積極的なんてっくく…やばい、腹がいたいっ」
「だ、だって…サクヤと…な、仲良くなりたいんだもん」
俺の隣にペタンと座り、俯くマリー。
そんなマリーをカノはゲラゲラと指をさし笑う。
「あ、マリー…はあ~…カノも懲りないっすね…」
突然、カノの笑い声がピタリと止んだ。
隣を見るとマリーが目を赤く光らせ、能力を発動させている。
セトは半分呆れ顔でそんなカノを引きずり
部屋の隅に置くとカノが居た場所…つまり俺の隣に座った。
「ようやく…隣に座れたっす」
苦笑交じりにそんな事を言うセトに、キドはカノを見てため息を吐いた。
「隅に置かれても邪魔なんだが…」
「しょーがないよ…カノが悪い」
自業自得だから仕方がない。
カノがマリーをからかうのは一再ならずであるとこの場にいる(カノを除く)全員が思ったこと。
ちらっと無造作に置かれたカノを見て…馬鹿だなと素直に思った。
『それより……今日はシンタロー達来ないのか?』
「いや……もうすぐ来ると思うんすけど……まだみたいっすね」
俺の頭を撫でながらそう答えるセト。
その手を払い、テーブルに置かれた紅茶を一口飲む。
マリーが淹れてくれたみたい。とても美味しくて顔が綻ぶ。
「サクヤさんもそんな顔するんだねー…可愛いー」
声のする方に目を向けると、いつの間に解けたのかカノが目の前にきてニヤニヤしながら俺をおちょくる。
「……なんだ、もう解けたのか」
「……残念」
キドとマリーが盛大なため息を吐き、カノを冷めた目で見る。
それでもカノは気にしてないのか、笑顔のままキドの隣に腰掛けた。