第39章 respective
「もう他の男について行ったりしないし、
とにかく私、反省してるから…
だから今まで通りに、」
「悪い、ラン」
「…え?」
その後の言葉で
ランはまたもドン底に突き落とされた気分になってしまった。
「少し距離、置かないか?」
まさか、そんな言葉が返ってくるとは思わなかった。
てっきり、いつも通りの関係に戻って、何事も無かったかのように過ごせると思っていた。
なのに……
「俺さ…昨日寝ずにずっと考えてたんだ。
やっぱり俺、このままじゃランといられねぇなって。ランのそばにいちゃいけないって思ったんだ。」
全く意味がわからない。
どういう事なのだろうか。
「…このままじゃランを嫌な気分にさせたり傷つけたりすること増えるだろうし、ちょっと頭冷やしたいんだ」
「…な、にそれ…」
「ランに相応しい男になりたいから。
今の俺じゃ、お前を抱く資格がない。自信もない。」
「い、意味わかんない……」
「俺自身のこともランのことも
嫌いになりたくねぇんだよ」
ドクッと勢いよく鼓動が跳ねた。
「わかってよ、ラン」
絶望感でいっぱいになった。
こんなに大好きなのに…
一緒に居られないの?
連絡も取れないの…?
会えないの…?
声も聞けないの…?
「だから…ちょっとさ、
俺が落ち着くまで時間くれないか?
これ以上かっこ悪ぃとこお前に見せたくねぇから。
…頼む。」
真剣に頭まで下げられてしまい、
何も言えなくなってしまった。
「別れたいわけじゃねぇから、絶対。
気持ちの整理ついたら、
必ずランのこと、抱きに行く。」
だから、ごめんな。
最後にそう優しく言われた。