第38章 rudder
「東マンは今日で解散する!!
どんな最高の時間だっていつかは終わる!
それが今日なだけだ!!」
万次郎の真剣な声に
その場にいる誰もが涙を流す。
「けど忘れんな!!
東マンはいつでも!!
お前らの心ん中にいる!!」
その言葉を最後に、
東京卍會は幕を閉じた。
新たな時代の幕開けとはならなかったが、
それは違った意味での幕開けだった。
その後、一部のメンバーでタイムカプセルを埋め、12年後の6月19日…東卍結成日にまたこのメンバーで集まろうと万次郎が言った。
「お別れだな、タケミッチ」
「え…?」
「みんながみんな、それぞれの居場所がある。
お前の居場所はここじゃないだろ?」
「っ…でも俺っ」
「タケミッチ!約束する!
12年後また会う日まで、東マンのみんなもヒナちゃんも、俺が絶対守ってみせる!」
絶対に…と真剣に呟く万次郎の表情に、タケミチの胸が熱くなった。
寂しさと嬉しさと興奮と…いろんな感情が入り交じって涙が溢れた。
「だからさ…、
名残惜しいけど、未来に帰れ。
タケミッチ。」
12年後のヒナちゃんが待ってる未来に!
と満面の笑みで言う万次郎と、
「また会おう!!」
と元気よく言うランが、
タケミチが過去で最後に見た2人の姿だった。