第38章 rudder
数日後
佐野エマの葬儀が執り行われた。
「この度は…妹エマの葬儀にご参列いただき、ありがとうございます」
毅然とした態度でそう述べる万次郎と祖父に挟まれて、ランは生気が抜けたように涙を流していた。
「エマさんを好きでした…」
お焼香を終えたあと、
ドラケンが佐野家の祖父に頭を下げた。
「申し訳ありませんでした。
彼女を…守れなかった…」
「…そうか。お前も好いとったか。
あいつもきっと、浮かばれる。」
佐野家祖父は優しく笑った。
「っ…ぐっ……うぐっ……っ…」
床に額を擦り付けて泣いているドラケンの姿と、エマの笑顔の遺影を前に、東マンメンバー全員が涙を流した。