第34章 ratio*
「ハァッ……そろそろイクね……限界…」
そう言って三ツ谷がラストスパートをかけるようにギュッと強く抱き締めながら律動を速めた。
苦しげに歪んでいく三ツ谷を見上げると、目が合った。
眉間に皺を寄せたまま
何かに耐えるように小さく笑いかけてくれた。
その優しくて色気のある表情に
キュッと子宮が疼いた。
「…っく……っ… ラン…ー」
その瞬間、三ツ谷が最奥を貫いたまま動きを止めた。
三ツ谷の額からポタリと汗が落ちた。
「すっげー激しくしちゃった…
ごめんな…」
「隆…なんかいろいろ謝りすぎだよ。
私は嬉しいのに…いつもいつも。」
そう言って、荒い息を吐く三ツ谷をそっと抱き締めると、安心したように少し笑ったのがわかった。
「私は…好きって気持ちも、好きって言うのも、プリクラも、手づくりの洋服も…キスも、こういうのも…
全部隆が初めてで…良かったって思ってるよ。」
たどたどしく呟くと、
三ツ谷がもう一度優しいキスをくれた。
「…光栄だな。
こんな可愛いランの初体験、
全部奪えんのは…」
きっといつまでも慣れない。
彼から発せられる、どうしようもなく甘ったるくて優しくて切なくて、自分を甘やかす言葉の数々には。
いつか結婚して、
何十年も一緒にいたとしても…
彼はきっと、初恋の頃のようなときめく感情をいつまでも与え続けてくれる人だろう。