第33章 realm
後日、ファミレスで万次郎と会い、
全てを話す三ツ谷は落ち込んでいる様子ではなかった。
ただただ優しげで切ない表情を浮かべていた。
「なんだよ…それ…
別れたってこと?」
「…ん…。そうなんじゃねぇかな…
よく分からねぇ……」
それを聞いて眉間に皺を寄せ口を開きかけた万次郎を、三ツ谷が制した。
「でもマイキーのせいじゃねぇから」
「は」
「俺らの問題だから」
まさに今、自分のせいでー…と言おうとしていたのを遮られた。
「……。」
なんなんだろうなこの気持ちは…。
本当だったらこれは、好都合なはずで喜ぶところなはずなのに…
どうしてこんなに虚しくて悲しい気持ちになるんだろう…
やっぱり俺は…
2人が心の底から幸せじゃないと…
俺自身も幸せじゃねぇんだな…
わかった気がした。ようやく。
「……どうすんの?」
「うーん…どーしようなぁ…」
三ツ谷はジュースのストローをくるくると掻き回しながらずっとその波紋を見つめている。
そこには何が映っているのだろう?
つうかこいつ
ホントなんでこんなに
強ぇんだろ。