第28章 recollect*
タケミチはそのまま万次郎に連れられ、日向に会わせられた。
「俺不良だしっ…お父さんの言うことわかるし…もし俺のせいでヒナに何かあったらダメじゃん!俺、救って誓ったのにっ…」
振ってしまったことを
猛烈に後悔していたタケミチは涙を流して懇願するように跪いた。
「…?…救う?」
「ヒナぁあ〜絶対守るから!!
たとえ君が死んでもっ!」
「え?何言ってるのタケミチくん…」
「トラックに轢かれても…っ
足の感覚なくなっても…っ
何度でも!守るから!!
別れるのは…ナシにしてくんねぇかなぁっ…」
「………初詣…。」
「…え?」
「連れてって。」
「…え…それって…じゃあっ」
「仲直り。」
そうニッコリ笑って言う日向に
タケミチは子供のように泣いた。
そんなめでたしめでたしな光景を、
エマと万次郎、ドラケンは見つめ笑みを零す。
「女に弱くて喧嘩も弱くて、でもいざって時は頼りになる。ほんと、あの人みてぇだな、タケミっちは。」
「ああ。」
ドラケンの言葉に、万次郎は笑顔で頷いた。
「タケミっち!ちょっと一緒に走ろうよ!」
「え?ちょちょっとマイキーくん?」
あれよあれよと万次郎のバブの後ろに乗せられた。
…マイキーくんはやっぱ不思議だ。
みんなといる時は怖くて近寄り難いのに
こうやって二人でいると…なんか…
穏やかでなんでも話してくれそうで…