第24章 revere*
「黒龍は殺人部隊を売り文句にしてるバリバリの武闘派。」
そう教えてくれたのは千冬だ。
「黒龍は歴代、関東不良たちの頂点に君臨し続けてきたチームだ。
その中でも今の十代目黒龍は最狂最悪。
その理由は1つ。絶対的君主 柴大寿!」
その名前にドクンと鼓動が怯む。
「東マンと黒龍は切っても切り離せねぇ関係だ。
なんせ東マン結成理由が黒龍だからな。
2年前、当時一虎くんと黒龍が揉めていて、その一虎くんを助けるために集まったのが東マンだ。
そして東マンは黒龍とぶつかった。
東マンは黒龍をぶっ潰した。
そして東マンは一躍有名なチームになったんだ。」
場地とランからそういった話を聞かされていたので千冬はいろいろと知っていた。
「すげぇ!東マン!」
「じゃあ今回の抗争も余裕じゃん!」
アッくんたちが軽快口調で言ったが、
千冬は真剣な顔をした。
「余裕じゃねぇよ!
その時潰したのは九代目黒龍なんだ。
消えていくはずだった黒龍を蘇らせたのが柴大寿。
大寿は黒龍を変えた。
特攻服を一新してメンバーを軍隊のように育て、見た目から憧れる存在にした。」
「すげぇ奴!」
「一新って…全員分揃えたらメッチャ金かかるだろ?」
「確かに!どうやってそんな金…」
「大寿が他の不良と違うのは暴力を"売る"こと。
大寿はただの武闘派じゃない。
金持ちと繋がって兵力を渡す代わりに金を貰う。」
その言葉に、全員の顔が引き攣る。
「つまり金のために喧嘩してるってこと?」
「こわ。たった2個上なのにどんなガキだよ?」
「別世界の生き物だな…」