第23章 rebel
「でも私…なんにも出来なくて…っ…
どうにかしてあげたいのに…」
三ツ谷はランがまた唇を噛み切らないように、自分の親指を入れて噛ませながらしばらく沈思したあと、優しく微笑んだ。
「大丈夫だ。どうにかするから、
今は自分の心配だけしてろ。」
顔を歪めたまま、コクリと小さく呟いたランにくすくすと笑う。
「じゃーとりあえず着替えろ。帰るぞ。
だから俺の指、そろそろ離せよ」
「あ…っ」
ランは顔を赤らめてパッと口を開けた。
「ごめんっ…指だいじょ」
「あ、着替え手伝った方がいいか。」
真面目な顔をしてそう言う三ツ谷にランの鼓動がうるさくなる。
「き、着替えくらい自分でできるよ!
向こう向いてて?」
「え?なんで?」
「なんでって…」
「今更なにを恥ずかしがってんの?」
「いっ、いいからぁ!!」
そんなやりとりをしながらも、
2人は今こうしてちゃんとそばにいれていることの幸せを噛み締めていた。