第23章 rebel
「ていうかさ…
ここまで競走してきたの?」
「いや、俺はマイキーと三ツ谷を追っかけて来ただけだからな?
こいつらはバイク乗るとこからここまでずーっと競走。事故んねぇかヒヤヒヤしたわ。
つぅか俺が事故るとこだった」
ドラケンは呆れたように言った。
「別に競走じゃねぇし…」
「ただ俺らはランのことが…」
万次郎と三ツ谷は
同時にどら焼きを齧りモゴモゴ何かを言いながら目を逸らした。
2人とも急いでここまで来てくれたんだと思うとランは心底嬉しくて頬が緩んだ。
「それより…ごめんね?私のせいで迷惑掛けて」
「ランのせーじゃねえっしょ。」
万次郎がどら焼きを齧りながらどこか呑気にそう言い、三ツ谷もドラケンも、真剣に頷いた。
その時…
廊下からドタバタと足音が聞こえてきた。
ノックが聞こえて万次郎がテキトーな返事をすると、入ってきたのはたくさんの隊員メンバーだった。
「っえ!!」
全員、ランを心配して駆けつけてきたようだ。
悔しそうに顔を歪ませている者や、目を潤ませている者までいる。
「み、みんな…ありがとう。
でも私もう全然大丈夫だから!」
ニッコリ笑ってそう言うが、
皆険しい顔をして口々に喋りだした。
「黒龍の奴らヤりましょうよ総長!!」
「そうっすよ!!これは奴らの宣戦布告っす!」
ドラケン「おい、少し静かにしろ。
さっき止めたばっかなのにお前ら…」
「俺ら我慢出来ねぇっすよ!!」
「ランさんがこんな目に遭って黙ってらんねぇっす!!」
「ぶち殺しましょう!」
ますます激しくなる言葉の数々に、ついにドラケンが立ち上がった。