第23章 rebel
「三ツ谷も数ヶ月前から行方不明…
マイキーは東マンの旧メンバーの粛清を始めた。
仲間なんてもう信じちゃいない」
「え?!?!」
「マイキーは…凶悪だ。
俺もあいつを変えちまった一人…
とにかく今のマイキーは本当にやべえ奴だ。」
そこでタケミチはずっと引っかかっていたことを聞いた。
さっきの千冬からも一虎からも一切名前すら出てこない人物…
「あの… ランさんは?
ランさんは今…どこで何を?」
その言葉に、ぴくりと一虎の眉が動く。
「お前…何言ってんだ?」
「……え?」
「ランは死んだろうが。
12年前のクリスマスの日。
俺は務所でそう聞いたけど。」
「?!」
うそ…だ…!
ランさんが?!?!
なにがあった?!?!
なんで…!!
「す…いません…俺…記憶が曖昧で…」
タケミチは頭を抱えた。
嫌な汗が止めどなく流れる。
「俺さ…それ聞いた時…今度こそマジで死のうかと思ったよ。まだアイツに言えてなかったこと…いっぱいあったから…でもその度にアイツの…っ… ランの笑顔が浮かんで…夢にまで出てきてさアイツ…相変わらずどんだけしつけぇんだよって…」
そう言って苦しそうに笑い、車のハンドルを強く握る一虎の手首を見てタケミチはハッと目を見開いた。
あの頃みんなでしていたあのミサンガ……
ランさんがくれたやつ…
一虎くんにも渡していたのか?
それとも……
「とにかく、稀咲の暴力。黒龍の金。
この2つをなんとかしねぇと、
マイキーが正気に戻ることはねぇ。」
協力してくれ、タケミチ。
そう一虎は強く言った。
「今度は俺が…マイキーを…
佐野万次郎を救いたい。」
タケミチも大きく頷いた。
しかし、最悪の事実はこの後に知ることになる。