第19章 redress
「でも、過去に戻ってもなかなか上手くやり直しがきくもんでもないんだね…
めげないタケミチはすごいよ。
いっぱい泣いていっぱい痛い思いして、自分を奮い立たせて…たった1人で頑張ってきた。
……偉いよタケミチ!
これからは1人じゃないよ!!
私にも協力させてね!!」
眉を下げてやさしくにっこり笑いかけてくれるランを見上げながら、タケミチの目からついに涙が零れ落ちた。
「うぅ…っ… ランさんんんっー」
「そ、そんなに泣く?」
若干引き気味になりながらもハンカチを差し出した。
タケミチはそれを受け取って尚もまだ泣いている。
「ところでさぁ、タケミチ」
「はい……グズッ…」
「未来の私って、綺麗だった?」
「え?あ、はい。それはもちろん。
モデルさんみたいでしたよ」
「……そっか…
でもモデルでもなければ隆のお嫁さんでもないんだね…
それどころか、隆に振られちゃってるんだ…」
「…あ、でもそれは…
ランさんを巻き込みたくなかったからかと…」
「私ね、夢があるの。
隆の作ったブランドのモデルになるっていう夢。
隆と約束したんだ。」
「…三ツ谷くんと…。そうですか…」
タケミチは立ち上がり、ランに手を伸ばした。
「その未来も、絶対に叶えましょう!」
真剣な泣き顔に、ランは目を丸くする。