第19章 redress
「急に呼び出してなんの用?」
ランとドラケンを前に、一虎は冷酷な視線を上目遣いに突き刺す。
「久しぶりだな、一虎。」
ドラケンはそう言ってから小さく息を吐いた。
「やめねぇか?こんな抗争。」
ピクリと一虎の眉が動く。
「てめぇまで何言って」
「お前に勝とうが負けようが、
俺は笑えねぇよ」
「こんなことしても…何も解決しないよ?一虎。
そのくらい分かるでしょ」
ランは睨むように一虎を見つめる。
ドラケンは一虎の近くに寄り、険しい顔で見下ろした。
「分かんねぇよ一虎…
なんでお前がマイキーを恨むんだ?
マイキーはお前に有利な証言したんだぞ?
そのおかげで早く出てこれたんじゃねぇかよ。
ここにいるランだってそうだ。
こいつらがどんな思いで…」
「私のことはいいんだよ、堅。」
「ごちゃごちゃうるせぇよ、どいつもこいつも。
……2年間、俺の大事な2年間、ずっと塀の中だよ。」
「「・・・」」
「俺はもう、あの頃の俺じゃねぇ。」
「それでも俺らはお前の仲間だ!」
「一虎!私たちがあのとき神社でした約束、覚えてないの?何があっても私たちは東マンの創設メンバー。あんたの代わりはいないんだよ!仲間のために命を張る…一虎は何に命を張ってるの?」
「は?仲間だよ。
俺の今の仲間はバルハラなんだから」
「本音を言えば、私は一虎にも東マンに戻ってきてほしいよ。」
その言葉に、一虎は一瞬目を見開いたあと、ハハッと笑った。