第17章 resolute
「あの日マイキーは…
一虎を殺した。」
「……え…」
「マイキーは捕まらなかった。
なぜなら、稀咲が身代わりを用意したからだ。
マイキーは堕ちた。
東マンはバルハラに乗っ取られ、総長マイキー、そして総長代理の稀咲を筆頭とした巨大組織に膨れ上がった。
今思えば、稀咲が東マンに入ったのは初めからマイキーが目的だったんだろうな…」
「…え… ランさんは…?」
「ランは…そんな組織が耐えきれなくなって…今度こそ東北の祖父に連れられて行っちまった。
ランは一応、あれでも女だ。
女1人、あんな組織に巻き込みたくねぇ三ツ谷はランを振って……俺も向こうに行かせるよう密かにランの祖父に頭を下げた。
でも…今思えばそれも良くなかったのかもしれねぇ…
マイキーにとってランがそばからいなくなるってことはつまり…」
ドラケンの言いたいことが分かる気がした。
なぜならランは、幼い頃からマイキーの心でありストッパーでもあったはずだからだ。
でもそもそも……
「ちょっと待ってくださいよ!」
タケミチは息を荒くして立ち上がった。