第5章 refine
「ねー!ラン姉ちゃん遊ぼーよ!」
三ツ谷の妹ルナとマナがランの体を揺すってきた。
「おら!危ねぇぞ!2人とも!」
「お兄ちゃんばっかラン姉ちゃん独り占めしてずるい!」
「ごめんね?今、手が離せないの…」
「えーっ!なんでぇー?お絵描きしよー」
そう言って広げてきたお絵描き帳には、三ツ谷のめちゃくちゃ精巧な絵がたくさん描かれている。
三ツ谷は絵まで上手なのだ。
そういえば、ケンのあのドラゴンの墨も、三ツ谷くんデザインだと言ってたなぁとランは思い出した。
「これ、終わってからね。」
「いいよ、ラン。あと俺やるし、しばらく遊んでやってよ。悪いな。」
「…そう?隆兄ちゃんがそう言うなら…遊ぼっか」
「「わーい!!」」
さぞ嬉しそうな2人とお絵描きを始める。
と言っても、ランはそこまで絵が得意ではないので何を書いたらいいのか分からず、平仮名やカタカナ、アルファベットを教えることにした。
ふとそこに、「I Love You」 の文字を書いた。
「それどーゆー意味ー?」
すかさず突っ込んできたルナに、ランはふふっと笑う。
「愛してる…って意味だよ。」
「アイシテルってどーゆー意味ー?」
「んーっと…大好きって意味だよ。」
「ラン姉ちゃんは誰が大好きなのー?」
ランは一瞬目を見開いた後、I Love Youの少し離れたところにそれを書き足した。