第17章 resolute
「場地さんはバルハラに入って稀咲の尻尾を掴もうとしてる。」
「それって…バルハラと稀咲は繋がってる…ってことですか?」
「多分ね。」
「じゃ、じゃあ…ランさんのことは…」
「場地さんは昔から、幼なじみのランさんに惚れてんだよ。」
「えぇ?!場地くんまで?!」
「…ん?…もしやお前も惚れてるのか?」
「やっ!違っ!お、俺じゃなくって…」
(三ッ谷くんとかマイキーくんとかその他大勢いっぱいいんじゃねーか明らかに!)
「あの半間たちは昔から、自分たちのチームにランさんを欲しがってる。理由はまぁ…戦力としても使えるし、情報網やあのクレバーさを利用したいがためなんだろうけど。
場地さんは多分、自分が入ることによってランさんの価値を下げ、更にランさんには手ぇ出させないような模索をしたんだと思う。」
「……なるほど…オトコっすね…」
「だから言ったろ。場地さんはカッケェ人だって。」
にっと白い歯を見せる千冬だが、タケミチの不安は色々と耐えない。
「とにかくさ、場地さんがバルハラ内部から調べるなら俺は俺なりに外部から稀咲を調べてぇんだ。」
「!」
「協力してくれ、タケミっち。」
千冬が真っ直ぐとタケミチに向かい合う。
「俺が何とかしねぇと、あの人すぐ1人で暴走しちゃうから…」
「でも…稀咲のことを探ってる…って…
場地くん本人が言ってたんすか?」
「あ?言ってねぇよ?でも…わかるんだ。
あの人の考えてる事はさ…」
そう言って視線を落とし、どこか悔しそうに拳を握っている。