第5章 refine
ここ数週間のランは、特攻服作りのため、三ツ谷に手取り足取り教えてもらいながらほぼ毎日三ツ谷の家か手芸室に入り浸っていた。
もちろん授業なんて全然受けていない。
つまりそれどころではないわけだ。
「ったくあいつら…押し付けやがって。
ランがいてくれて助かったよ」
「いやいや全然!ついでにごはんも持ってこれるし」
本当はこうして三ツ谷との時間を過ごしたいだけのランは何も苦に感じていなかった。
むしろとても嬉しい。
「ほんとありがとな。何から何まで」
「ううん!なんでも言って!それよりこんなに難しいものまで作れちゃうなんて流石だなぁ…」
「そーかー?ランも手先が器用だからかなり腕が良くなってきてるぞ。料理も上手くて裁縫もできるなんて、お前ぜってー良い嫁さんになるよ」
ミシンに布を当てながらサラッと言われたその言葉にランは顔を火照らせる。
なら三ツ谷くんのお嫁さんにしてください…
と言う言葉を飲み込む。