第15章 relent*
「ラン…ホントにっ、大丈夫…か?」
「んっ…」
驚いた顔をして、ランの涙を見つめる三ツ谷が
ボヤけた視界に映る。
「わっ悪ぃ…っ!無理させたよな」
慌てて引き抜こうとする三ツ谷を必死で引き止めた。
「っ!」
「違うの…違う…」
まだ焦ったような表情をしている三ツ谷が、溢れて止まらない涙を必死で拭ってくる。
「嬉し…くて…」
「え…?」
「優しいから…
隆が…優しくて…それでっ…好きだから…
どうしようもないくらいに…それがっ…」
自分でも、何を言っているのか
何が言いたいのか、よく分からなかった。
それでも三ツ谷は眉を下げて優しく見つめてくれている。
もっと…求めてほしい。
そう素直に思った。
きっと、それだけなんだと思う。
「力抜いて…」
そう言ってキスを落とす三ツ谷の背中に思い切りしがみつく。
グイグイと奥を何度も突き上げられてはいるが、三ツ谷が何度も様子を伺ってくれているのが分かり、それだけで嬉しさと愛しさが募ってくる。
「1つになれたの…嬉しい…」
「…俺も……」
涙を流しながらも本当に嬉しそうに笑みを浮かべ、受け入れてくれるランに、三ツ谷も心の底から愛しさを感じて優しく包み込むようにして己を打ち付けていった。