第15章 relent*
「ヒナぁあ!!!」
急いで日向の乗っている車へ駆けつけていく。
…生きてる!!
「待ってろ!今ぜってー出してやるから!!
火が回ってくる!早くここから出るぞ!!」
日向の方に必死で腕を伸ばす。
「……タケミチくん…」
「ヒナ!!喋ってる暇ないんだ!!
こっちも爆発しちまう!!」
「…ありが…とう…」
「そんなの後でいいから!!早く!!」
「無理だよ…足の感覚が…もう…ないの…」
よく見ると、下半身はグチャグチャに押し潰されていた。
タケミチは日向の上半身をギュッと抱き締めて泣いた。
「この先もっ…昔もっ……ずっと、ずっと!
……愛してる!!!」
日向の目からも涙が溢れた。
「嬉しい…ありがとう……
もう、行って…」
「ヤダ!!!」
「…お願い。大事な人にまで…
死んでほしくないの…」
「ヤダ!!!」
ゴォォォオオオオ…と炎が巻き上がる音がした。
日向は最後の力を振り絞って
タケミチを押しとばした。
「っ!!!!」
最後に見えたのは、
優しく微笑む日向の泣き顔だった。
ドッカーーーン!!!
ゴォォォオオオオ!!!
「あ…あ…あ"あ"あぁぁぁあ!!!!
ヒナーーーっ!!!!」