第12章 reconcile
「タケミチくん!?どうしたの?!
なにがあったの?!」
駆けつけてきてくれた日向を見て、また涙が溢れてきた。
「ごめん…1人にして…
情けねえな、俺……」
「……タケミチくん」
「俺なりに一生懸命頑張ったんだ…
苦しいししんどいし…
でも頑張ったんだ…」
雨がしとしとと目に入り、涙なのか雨なのか、どちらとも分からない雫がとめどなく流れていく。
「なのに…なんも変えられねぇじゃん!!
誰も救えねぇじゃん!!
そりゃそうだよな。
俺みてぇなダメでダメでどうしようもねぇ奴が人を救うなんて、バカみてぇだ。」
「…そんなことないよ…」
「放っとけよ!!
みっともねぇとこ見られたくねぇんだよ!!
俺がドラケンくんなら、マイキーくんなら、ランさんなら…こんなの屁でもねぇよ!!チャチャッとやっつけてさ!バシッとキメてさ!でも俺はっ!タダの人間だ!!」
……っえ?
その瞬間、日向にキスをされていた。
ゆっくりと顔が離れていく。
「ファーストキス…」
「なん…で…」
「特別な人だからあげるの。」
日向は優しげな笑みを浮かべている。