第12章 reconcile
「キス…されたの…」
ランのその言葉を聞いて、
万次郎は天井を見上げたままピクリと片眉を動かす。
「なのにね…振られたんだ。
私のこと、大事な仲間以外の何者でもないんだって。
他に好きな子もいるみたいだし。」
「・・・」
「別にね、それならそれでいいんだよ。
でも…だったら…
なんでキス…したのって…思って。
期待しちゃうじゃん…」
出てくる声はか細くて弱い。
なんだか本当に女の子って感じで嫌だなと思った。
ランは自嘲気味に口角を上げた。
こんな話、万次郎はどう思ってんだろ。
バカみたいな話だと思ってるよな。