第12章 reconcile
「わぁあ〜2人とも完璧♡
よく似合ってるよ!」
ヒナとエマの浴衣の着付けとヘアメイクを終えて、ランは満足気に笑う。
「ありがとうございます!ランさん!」
「ランありがとう!
あれ?ランは着替えないの?」
エマの言葉に、ドクンと鼓動が跳ねる。
「三ツ谷くんとお祭り行かないのー?」
「…あぁ…えっと……」
「最近のラン、マイキーとドラケンが仲直りしたってのにずっと元気ないままだし、三ツ谷くんと何かあったの?」
容赦のないエマにサラッとそんなことを聞かれてしまい、顔を曇らせる。
「・・・」
「… ラン?」
「んーまぁなんてゆーか…振られちゃった感じ?」
急いで無理やり笑顔を作る。
エマとヒナが顔を歪めている。
「そ、そんな顔しないでよ!私は全然平気だから〜
だから私の分まで楽しんできて〜♡ね!」
「うん…わかった。金魚すくってくる…」
「頼んだぜエマ!」
とりあえず2人を笑顔で見送ったあと、ため息を吐く。
人生初の恋愛に、人生初の失恋か…
でもいつまでもこんなことで落ち込んでられないよね
女々しい奴とか思われたら最悪だし
人生長いんだし!
と心の中で言ったのは何度目だろう…。
「七転び八起きだよね、圭介。」
けれど結局何度自分を奮い立たせても、
その人は頭の中から離れてくれない…