第11章 radiant
「それって…」
エマのことだろうか?
堅は…エマのことを想像して…?
ふと壁を見ると、
ドラケンとエマのツーショット写真も目に入った。
2人は付き合っているわけではないけど、
やっぱりなんだかんだ堅もエマのこと好きなんだな、とランは少しだけ表情を緩めた。
「言っとくけど、三ツ谷の奴も、
ぜってーお前とのアレコレ想像してると思うぞ。」
「は、はぁあ?!」
途端に顔が赤くなってしまった。
「そんなわけないじゃない!」
「いいや俺には分かる。
アイツだって俺だって、男なんだから」
その言葉には、何も言えなくなってしまった。
「あのさ…堅…」
「あ?」
「堅はさ…その…
そういったことって、誰かとした事あるの?」
少しの間が空いたあと、ドラケンがフーっと長い息を吐いた。
「ねぇよ。まぁ、この店の女たちに、筆下ろししてやるとかなんとかよく言われっけど断ってるし。だってやっぱ最初って好きな奴とシてぇだろ?」
言ってしまってから、ドラケンは後悔した。
何言ってんだ俺…。
妙なことベラベラ喋りすぎだろ。
おそるおそるランを見ると、
ランはポカンとした表情をしていた。