第11章 radiant
「どぉりゃぁああーっ!」
「ふん。なかなかやるな」
「っしゃあ見たか?!俺のピンアクション!」
「だがこっちも負けてねぇからな!」
あまりにも騒がしい声が
向こうのレーンから聞こえた。
「うっさいな。なにあいつら…。」
そう言って舌打ちする柚葉の目線の先を見ると、
なんとそこには…
東マン肆番隊の隊長副隊長双子コンビのスマイリーアングリーこと河田兄弟と、
そしてその隣のレーンには……
「えっ?…あいつらって……
灰谷兄弟じゃない?」
兄の蘭と弟の竜胆…灰谷兄弟。
特定の暴走族を作らず、2人で六本木を仕切っている。
年齢は、自分らより2つ上だ。
顔が広く、一声かければ100人以上の不良が集まるとされるカリスマ兄弟として有名だ。
かつて「六本木灰狂戦争」にて、当時都内最大の暴走族チーム「狂極」の総長・副総長を相手に戦い圧勝。弱冠13歳にして、六本木一帯の不良のトップに立った。
竜胆に関節技をかけられ、蘭に顔面を執拗に殴りつけられた相手の副総長は死亡したらしい。
そういった情報をランは知っていた。
「ていうか…どーなっちゃってんの?」
「スマイリー君もアングリー君もあいつらと勝負してんのかなー」
「えぇ?!」
八戒の言葉に目を見張る。
しかし確かに4人は違うレーンではあるが
明らかに敵対心剥き出しにしてボーリングをしている様子だ。