第11章 radiant
「ストレス?なんかあったの?」
「えっ」
柚葉に顔を覗き込まれ、思わず怯む。
「なんもないよ?
誰にだってストレスの1つや2つあんじゃん?」
「ぃやー、なんか今日のランおかしいもん。
なんかあったんでしょー?」
「はっ?な、なんで」
「だってランがこんなにボーリングうまいわけないもん」
「ちょっとなにそれー?!?!」
「まぁ普通は何かあったんならヘタクソになるはずだけど、あんたの場合はタイプ違うもんね〜」
含み笑いを浮かべつつも、本気で心配してるのがわかった。
柚葉になら…
言ってしまってもいいだろうか?
「三ツ谷くん…にさ」
柚葉は一瞬、やっぱりという顔をした。
三ツ谷に思いを寄せていることは柚葉にも八戒にもバレバレなのだろう。
「東マンの集会の日にね……」
生唾をゴクリと飲み込み、
小さく息を吸う。
ガララララッ!!
と、八戒のボーリングのピンが倒れる音がした。
「うっしゃぁぁあああ!!!見たか今のっ!!」
「うるさい八戒!黙ってろ!!」
「え?」
「…キス…されたの……」
シーンと静まり返った。
遠くのレーンでピンを倒す音だけが聞こえた。