第11章 radiant
「ふわぁあ〜…おはよぉ…」
万次郎は目が半開きの寝癖つき状態のまま朝のリビングに遅れて顔を出す。
「おっそいなマイキー!
早く朝ごはん食べてよ!片付かないから!」
エマは呆れ顔でそう言うが、既に食器を片付けているランは完全無視している。
「だいたいそのボロボロのタオルといつまで一緒に寝てんの?いい加減捨てなよ」
「やだぁ。これは俺の命だから。」
ぐびぐびと牛乳を飲み、朝ごはんを食べ始めるとだんだんと眠気が覚めてきた。
「ねぇねぇラン〜」
「・・・」
「えー…まだ怒ってんのー?」
ランは黙々と食器を洗っている。
「マイキーがランを怒らせるようなこと言ったんでしょ?」
「そんなつもりはないんだけどー
まだ口聞いてくんないんだよねー…」
ランは、いってきまーすと言ってとっとと家を出て行ってしまった。
万次郎も慌てて支度をし、髪をセットしないまま追いかける。
「はぁ…っ…追いついたー!
ねえ〜ラン〜!」
「・・・」
歩きながら顔を覗き込む。
「もー!いー加減無視すんなよっ!」
その瞬間、ピタリと立ち止まり、ギロリと横目で万次郎の足元だけを睨んだ。