第10章 return
場地は家からすぐに出てきてくれた。
「あ!圭介!!よかった〜いてくれて〜
ぷぷっ!ガリ勉君スタイルじゃん〜」
「なんだお前。俺のお勉強を邪魔しに来たのか?」
「お邪魔しマース」
場地の七三分けに結んだ髪と眼鏡姿はめちゃめちゃウケるのだが、ランは笑いをこらえながら勝手に上がり込んだ。
「つぅかなんなんだよこの大荷物は」
「あのね〜いろいろ買ってきたんだよ〜!
(てゆーか買ってもらったんだけど)
どら焼きでしょ〜ミルクレープでしょ〜シュークリームでしょ〜それからねー…あぁそうそうレのつく物がなくってさー」
「は?レ?…レアチーズケーキとか?レーズンサンドとか?」
その言葉に、ランはハッと目を見開いて場地の肩に手を置いた。
「…それだ!!それだよ圭介!!
なんで知らせてくれなかったのーーー!!!!」
「あん?知らねーよ。」
「圭介って意外とオシャレなもの思い付くね」
「てめ…っ…来てそうそう喧嘩売ってんのか」
「あれ?私ファンタなんて買ったっけ…」
「まさかファ?…つーかよ、お前の好物ばっかかよ。菓子パーティやんならここじゃなくていいだろ、家でマイキーとやってろや。」
その言葉に、ランはあからさまにドヤ顔をした。