第56章 窮地を救うは誰の手か
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さんさんと太陽の光が降り注ぎ、気持ちの良いある日。
外で遊びたいという龍輝に連れられて、山小屋近くにある川に来ていた。
信長様と蘭丸君は屋根に開いた穴を塞ぐ作業をしている。
一度塞いだけど、今度は違う場所に大きな穴が開いてしまい、穴を塞ぐついでに全体を点検すると言っていた。
蘭丸君の体調は問題なく、そろそろ今後のことを考えようと、今夜龍輝が寝た後に話し合うことになっている。
久しぶりに二人きりの外出だ。
「龍輝、水に足を入れちゃ駄目よ」
この川のおかげで生活用水に困らなくて済んでいるけど、川幅が400m以上はあり水量も多い。
龍輝が悪戯に川に入ってはとハラハラしてしまう。
転がっている石を円状に並べていると龍輝が歩み寄ってきた。
龍輝「ママ、何してるの??」
「一緒にケンケンパしようと思って。負けたらコチョコチョだよー」
龍輝「やるやる!」
どうやら川の水から意識をそらせたようだ。